おやきのつくり方
おやきは信州のおふくろの味。各家庭や地域で古くから語り継がれた郷土食です。
「おばあちゃんがこうやって作っていた」「うちは昔からこうやって作っているのよ」といった具合に、製法や味付けは家庭ごとに特徴があります。だから、隣の家のおやきだって、同じものとは限らないのです。
おやき専門店でも、さまざまな調理法で特色を出しており、これがおやきの正しいつくり方、というものはありません。
細かくわけると無限大にあるおやきの作り方ですが、ここでは代表的な製法を紹介します。
焼き系おやき
焼きおやき、揚げ焼きおやきを、信州おやき協議会のサイトでは【焼き系おやき】と呼びます。
焼き系おやきは、『灰焼きおやき』に代表される、囲炉裏の灰の中に入れて焼くおやきがルーツです。
現在では、囲炉裏の火回りの「渡し(鉄製の網)」や「ほうろく(鉄鍋)」で焼く店舗が多いです。
焼き蒸かし系おやき
焼き蒸かしおやき、揚げ蒸かしおやき、揚げ焼き蒸かしおやきを、信州おやき協議会のサイトでは【焼き蒸かし系おやき】と呼びます。
焼き蒸かし系おやきは、その多くが水分の多い生地を使うことから、ほうろくや鉄板ですばやく外面を焼いて形を整えてから蒸かします。
水分が多いので、皮がモッチリします。
蒸かし(蒸かし焼き)
蒸かしおやき、蒸かし焼きおやきを、信州おやき協議会のサイトでは【蒸かし系おやき】と呼びます。
蒸かし系おやきは、信州で作られるおやきで、最も多いタイプです。ふくらし粉を使っているもの、いないものがあり、それぞれに食感が違います。
焼き系おやきは手間がかかることから、山あいから里、町へと伝播されていく中で発達していった製法です。
おやきの生地のこと
小麦粉と水から作るおやきの生地は、とってもデリケート。温度や湿度で、仕上がりが変わってしまうこともしばしば。おやき屋さんでは、その日の天気をみて、水の量や粉の配合を変えています。
おやきの生地ひとつとっても、長年やってきた勘や経験がモノをいうのです。
おやきの具のこと
伝統的なおやきの具は、なすや野沢菜、山菜、きのこなど、季節の旬の野菜が使われ、四季の移り変わりを味わってきました。
最近は、従来の枠にとらわれないバラエティーな具を提供するお店も多くなり、さらにいろいろな味を楽しむことができるようになっています。